一部流血表現を含みます。苦手な方は回れ右。
ていうか全体的に狂気気味です。

















<ある日の戦場>
始まりはそうだ、煙と鉄と砂の臭いで嗅覚が麻痺しかけていた、あの時だ。

『平気か』
そう問う声、戦場に鈍く光る白銀の背中だけをよく覚えている。






<最初の英雄>
彼の登場は傾きかけていたこの国を沸かせ、民に希望を、少年に憧れを、そして俺には羨望を通り越した嫉妬をもたらした。

『彼のようになりたい』
それが実現される為に彼は邪魔であることに気づくのにさほどの時間はかからなかった。







<ある日の山道>
追いかける背中、仲間を庇いながら、傷ついた足を引き摺りながら。
目の前で事切れる部下を見て彼は疑問と非難の混じった、呪詛に似た叫びを上げる。
嗚呼その逃げる背が見たかったのだ、その叫びが聞きたかったのだ。
国に裏切られた男の背中を踏みつけ、それに突き刺さった剣を引き抜く。
夕暮れに眼下の町並みが暗く沈む。あんたの背中の上から見下ろす街は美しい。


<次代の英雄>
響く歓声、増える勲章、舞う紙吹雪。
有難うあんたのお陰で俺はあんたと同じところに立てた。












常勝続きのこの軍で異常が起きたのはそれから随分と時間が経ってのことだった。















<またある日、別の戦場>
かたかたと歯が震える。
自ら前線に立つことすらなく悠々と帰るはずだった敏感なままの嗅覚は麻痺するまでの余裕もなかった。ただ咽返る匂いだけが鼻腔から喉から張り付くように埋めていく。
『死神』
そうぽつりと吐き出すと目の前の少女は場違いな笑みを浮かべた。

「死神?ええ、確かにそうね。けれど、貴方には見覚えがあるはず」

最後の部下を狩り終えて、『彼』はゆったりと鎌を落ち着ける。
少女の頭の上、振り返らずとも分かる。強烈なまでに記憶に残るあの背。
嘘だ確かにあの時。












そうして『彼』はゆっくり振り向く。
懐かしいあの言葉を、かけてもらえない事だけは分かっている。





或る英雄の背














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しばらく落ちてたとおもったらこれですか。
これです。


とりあえず白い幼女〜と思ってそのあと鎌〜ときて最後に
『騎士が剣じゃなくて鎌持ってたらそれはそれでミスマッチでいいかも?!』
という発想でこうなりました。
長々と話もつけてみたりだとか。邪魔っぽいですすいません。
つくづく自分ドロドロばっかり・・orzあれです、英雄の人気が高すぎて最終的に隊ごと反逆者の
汚名を着せられて抹消、その討伐担当した男が次代英雄に・・という流れでひとつ。(何が)
そんな可哀想な過去英雄を拾った少女は本当に死神なのかそれとも敵国のネクロマンサー
なのかは(何て嫌な回答)あんまり考えてません。折角なので掘り下げてみようかなぁ。
(でもこんな退廃的なネタどうするんだ)私の中で『英雄』と名のつくものは悲運です。
国を追われた悲運の兵が頑張る系ファンタジーはある意味王道だなーとか思っていたんですが
いきなり序盤でゲームオーバーくらったら主人公がラスボスになってしまいました的展開・・orz。
そういうゲームとかあったら愉快だろうなぁ。私のようにゲーム下手な人ほどボスの数が
とんとん拍子に増えていく。(もうこいつ馬鹿かと)
持ってるのは血でできた鎌です。普段は騎士ごと女の子の影の中に入っているという設定。
・・・・・最近亡霊ネタ多いでしょうか私・・。
かなりきっつい色味をかけてしまったので色の調整が大変でした。


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